1話【体験記】彼と私の結婚が地獄に変わるまで

本記事は、夫からのモラハラ・DVを経て、愛犬と自由になるまでの真実を綴った体験記録です。
※ご自身にて適宜、閲覧の可否をご判断いただけますと幸いです。

旅先の出会い・結婚までの違和感

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静寂のキッチン、運命の歯車が狂い始めた夜

雪の降る音が聞こえるほど、静かな北海道の夜だった。

バックパッカーが泊まる安宿のキッチンで、「こんにちは」と声をかけてきたその人は、
のちに私の「元夫」となる男。そのときの私は、そんな未来も予測していなかった。

この旅は、恋愛を求めるためのものではなかった。

雪国生まれの私はウィンタースポーツが好き過ぎて、趣味を超えて「生きがい」に近く、ただひとりで、雪の上を滑りたかっただけだ。

リゾート地の男女関係の酸いも甘いも、それなりに心得ていたからこそ、むしろ身構えて決行した「一人旅」だった。

宿は、ゲレンデが一望できる場所にある。共有キッチンで自炊をしながら、同じように雪を求めて集まった人たちと、他愛ない会話を交わす。

そこには色っぽさや特別なムードなんてなくて、ただ、同じ趣味を持つ人同士の、さっぱりした一体感だけがあった。

彼と初めて言葉を交わしたのは、そんなキッチンの片隅。鍋をかき混ぜながら

「どこから来たんですか?」と聞かれ、

「本州から一人で」と返す。

それから会話はよく弾んだけれど、そのときの私は、彼を恋愛対象としては何も感じていなかった。他の滞在客と同じ。たまに一緒に滑りに行ったり、夜にみんなでお酒を飲んだり。

いわゆる旅先の出会いの一つでしかなかったから。

先にチェックアウトしたのは彼の方。「本州に戻ったら、ご飯でも行きましょう」と、
別れ際に交換した連絡先も、正直すぐに連絡するつもりはなかった。
ただ、旅先で出会った雪仲間として、スマホの中に名前が増えたそれだけ。

数日後。「本州に戻ったら連絡ください」というメッセージが届いた。

ほどなくして私も北海道から戻り、少し間をおいてから連絡し、何度か食事に行くようになった。
ドライブ、旅行、他愛ないトークメッセージのやり取り。気づけば、私たちは付き合う仲になった。

このあたりまでは、きっとどこにでもある「出会い、恋愛〜交際」までのストーリーだと思う。
はたから見れば、旅先で出会った二人が恋に落ちて、そのまま結婚へ。

‥そんなロマンチックな物語に見えただろう。

忍び寄る「普通」という凶器

だけど、現実は違った。
私たちの関係は、ゆっくりと、しかし確実に、歪んでいった。
付き合って少し経った頃から、ケンカが増えた。

最初に怒るのは、いつも彼の方だった。
「なんでわかってくれないの?」
「普通、そんな考え方しないでしょ」

責められても、私は何が「普通」なのかがわからなかった。
理由を聞いても、説明は曖昧なままで感情で何かを訴えてくる。それでは納得できないからと反論すると、いつも大ケンカに発展した。

何度も何度も言い合いのケンカをした。それでも別れなかった。
このことを友人に相談したこともある。
「こんなにケンカばかりで、この先やっていけると思う?」と聞いた私に、友人は

「それでも結局さ、選んだのは自分なんだよ」その一言を、当時こう解釈した。

どんなに大きいケンカをしても、相手を選んだのは自分。
別れることは自分を否定すること。簡単に逃げたくない。

そうやって、私はこの違和感に蓋をした。

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夜の江ノ島、素直に喜べなかったプロポーズ

8月の夜、江ノ島の桟橋の上。

定番のデートスポットというだけあって、カップルや大学生くらいの若い人が行き交っている。
先に待ち合わせ場所に来ていた私は、江ノ島ビールを片手に夜景を見て待っていた。

遅れてきた彼が、すぐに大きな花束を手渡してきた。
まわりがざわつき、注目を浴びていた。

多くの女性が夢見るプロポーズの場面のはずだった。でも、私はすぐに返事をしなかった。
付き合って数年。ドライブや旅行を重ね、順調に見えた私たちの関係に、小さな亀裂を感じていたからだ。

「花束ありがとう…返事、少し待って。」と、
この状況でこれを伝えるには、かなり勇気がいった。

それから彼との結婚について考え、承諾した。

今思えば、あのシチュエーションでプロポーズされたことで、浮ついてしまった自分もいた。

――結婚準備がはじまったとき、彼からのこんな提案があった。

俺の両親に、結婚式の姿を見せてあげたいんだ。だから式挙げない?

男性側からそんな言葉を聞くなんて、想像もしていなかった。
私は少し前に両親を亡くしたばかりだったので、「家族を大切にする人なんだ」と、好感を持った。
当初結婚式を挙げるつもりは私には無かったが、彼の言葉を素直に受け取り、式を挙げることにした。

でも、結婚式はするべきではなかった。
これが地獄の始まりだった。

「あんたがやりたいって言ったんだろ!」豹変する夫

結婚式の式場も決まり、予約金は私が立て替えた。

「あとで(半分を)お願いね」と伝えたあとに、1週間、2週間経ち…
催促すると彼の反応はこうだった。

「今その話をしてないだろ!
それよりこの前俺が立て替えた食事の金はどうなったんだよ​」

突然、癇癪を起こして別の話にすり替える。そうやって自分の流れにもっていくのは彼の定番技だった。

こんなケンカのエピソードもある。

結婚指輪をつけるかつけないか。
世の中には、職種によって結婚指輪が支障になる場合や、そもそも付けられない仕事もある。
そういう人は、指輪をネックレスに通したり、指輪の代わりに時計を身につける人もいると、聞いたことがあった。

当時、夫は飲食店の調理場で働いていた。だから私は、何気なくこう聞いた。

「結婚指輪って、付ける派?」

ところが彼は、私の話を最後まで聞かず、意図を汲み取ることもせず突然に声を荒げた。

「そんなこと聞かなくてもわかるだろ!!
結婚したら指輪を付けるのが当たり前だ!!」

レストランで食事中だったが
彼は怒って私を置き去りにして、先に帰ってしまった。

そして結婚式当日を迎えた。家族や友人が祝福してくれて良い一日だった。
だが、日が過ぎればすぐにケンカが始まるのだ。

これで、本当に幸せになれるのかな‥いつかの友人の言葉が頭をよぎる。

「それでも結局さ、選んだのは自分なんだよ」

心の中で、ずっともやもやが渦巻いていた。

式の数ヶ月後のある夜、夫はいつものように深酒をしていた。
お金の話を引き金に、またケンカになった。そして彼は平然と言ったのだ。

「結婚式なんて、しなければよかったよ」

そして次に

「あんたがやりたいって言ったからしてやったんだろ!」

さらにお金で揉めるのは私のせいだと言う。

「え…?」私が呆然と聞き返し

『俺の両親に、結婚式の姿を見せてあげたい』とあなたが言ったんじゃないと伝えると、

俺はそんな発言などしていないと逆ギレした。

深酒のせいか、それともあの発言は嘘だったのか。

私は愚かだったと後悔するしかなかった。しかし、彼はいつもこれを言う。

覚えていない

言ってない

それはいつも決まって、深酒をしているときだ。

――そしてようやく理解できた。
彼は頻繁にブラックアウトする体質だった。

それを知ったのは随分あとなんだけど‥。

ブラックアウト:飲酒時に記憶を失うこと

そのあとも私たちは
どんどん深い闇目掛けて落ちていった。

そして一匹の犬を巻き込むことになる。

決して安易に決めた結婚ではないのに間違っていたと、気づいた時には遅かった。今の時代はアプリで「Yes」も「No」も判断しやすくなった。そういう「迷い」の時間は減らせる。自分に合う相手を冷静に見極める選択肢があるのは、とても良いことだと思います。


次回予告:絆を取り戻せるかもしれない――そう期待して一匹の犬を迎えた。それは決定的に壊す引き金となる。

▶︎ 2話【体験記】犬をむかえ、私たちの幸せは崩れ始めた へ続く

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